春の夜に
前回の記事で少し触れましたが、私が長年抱えている問題に、性暴力被害のことがあります。
現在でも「乗り越えた」というには程遠いのですが、自分の身に起こったことを少しずつ書き出す試みをしています。
書けそうなところから、少しずつ書き継いでいく形式になるので、読まれる方には、全容が掴みにくいかもしれません。いつまで続けられるかも、正直自信がないのですが、問題そのものと、感情の整理をするつもりで書いています。
書くことを仕事にしながら、自分の被害(しかも取材業務中に受けた)について、何も語れないでいることに長年苦しんできました。その間には、性犯罪に関する記事を書くこともあり、自分の問題を棚上げにして仕事を続けていくことへの矛盾に苛まれるようになりました。
沈黙している自分を責める日々が続きました。
ただ、今は、その沈黙の中を生き抜いてきたことを尊いと思っています。生きるために沈黙が必要だった。
性被害の問題に限らず、そうした沈黙の中に浅い呼吸をしながらなんとか今日を生き抜いているという人たちが、本当にたくさんいるのだと考えています。
「声を上げる」ことの大切さは、言うまでもありません。
ただ私としては、自分の体験について語る上で、むしろ「声を上げられなかった日々」のことを中心に据えたいと思っています。