コロナに負けそう②「いしゃ」と「いしや」
休校中の小学3年になった長男。
学校から出された学習プリント群に対して、
なんというか、「心底面倒だ」「やりたくないんだ」という態度を、惜しみなく出してきます。
私も親、いわゆる保護者ではありますが、それ以前に一人間として今の状況に滅入っているので、
「はあ〜おれは宿題地獄だ」とか
風呂では弟たちに演説ぶって、
その実まったくその「宿題」に手をつけていないという
長男のていたらくに、苛立ってきていました。
少し話してみましたが、
とにかく宿題のプリント群については
「面倒くさい」「興味がない」というはっきりした理由で、
なかなか取り組むに至らないことがわかりました。
「おれは遊びで力を発揮する」とも。
……どうぞ、どうぞ。
ここまできっぱり言われると、何も反論できません。
ところが、実は繊細な長男。
きっぱり「やらないでいる」ということもできないらしく、
先日、早起きして黙々とプリントに取りかかっていました。
注意散漫なので、あちこち抜けたり、奇妙な字を書いたりするのですが、まあそれは個性として。
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本題はここからです。
長男「ねぇ、『いしや』って何?」
私「え、石材店のことでしょ?辞書引いて」
長男「ドラえもん(小学館)の辞書には『いしや』はないんだよ〜!!」
小学生向けの辞書に収録されている語彙数の問題かと思い、
「別の辞書あるよ」
と新明解国語辞典を差し出すと、さっそく調べ始める長男。
数分後…
「……『いしゃ(医者)』が先じゃん」
との声。
以後、ブツブツぶつぶつうるさいので、
課題のプリントをのぞいてみると、どうやら、
辞書において
『いしゃ(医者)』と『いしや(石屋)』どちらが先に出てくるか、
掲載順を答えよ、という問題でした。
ナンセーンス!!
ナンセンス感は置いといて、配布されている別冊の「答え」には、
①『石屋』②『医者』の順だと書いてあります。
ひるがえって長男。
わざわざ字のこまかい「新明解国語辞典」まで引いた結果が、模範解答と真逆の①『医者』②『石屋』
私も見せつけられましたが、確かにそうでした。
その学習プリントが問題の根拠としているのはベネッセの小学生用辞典らしいのですが、
その辞典、うちでは使っていないし。
子どもが自ら調べた結果、配布された「答え」とはちがうけれど、妥当な答えに行きついたわけなので、
それは大きく〇。
そもそも、「辞書の使い方」を教える上で「しや」が先か「しゃ」が先か、みたいな問題をたくさん出すことが
本質的なんでしょうか?
私にはピンとこないなあ。
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私以上にピンときていなかったのが長男自身で。
そもそもドラえもん辞書に「石屋」が載っていなかった時点で相当面倒くさくなっていたのが、
半分意地になって新明解まで引いて、配られた解答とは違う結果だったということで、混乱し、苛立っていました。で、
「お母さん、これ、順番覚える意味あんのかな。「医者」って言葉が知りたかったら、「いしゃ」ってとこ見るし、
「石屋」って言葉が知りたかったら、「いしや」ってとこ見るよね」
と。
だよね。けど、これ、ナンセンスの先にあったある意味すごい「発見」「学び」なのでは??
母はひとり興奮し、長男は早々に勉強引き上げ、部屋で逆立ちの練習にいそしんでいました。
長男の「意味あんのかな?」というのが何気にうれしかったです。
意味がはっきり呑み込めないことを人、特に子どもに対して強いることは、本当に良くないと思っています。
やる意味がわからないことをやらされ続けていると、問うことや疑うことを忘れがちな人間になってしまうのではないか。
そんなことを考えています。
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今日も寝たり起きたり、相変わらず負けそうな日々です。
次回書けたら、持病の診察を受けられずにいる不安みたいなことを書きたいと思います。
果たして書けるのか?!