ウネラのブログ

元新聞記者ウネラの日記

森の奥の樟の木

最近また、長田弘全詩集をぱらぱら開いています。

 

長田弘さんは福島出身。

「森の奥の樟の木」という詩は、『詩の樹の下で』という詩集に収録されているのですが、この詩集について長田氏は

この小さな本のモチーフとなったのは、
樹や林、森や山のかさなる風景に囲まれて育った幼少期の記憶だ。

 と記しています。

詩の樹の下で

詩の樹の下で

  • 作者:長田 弘
  • 発売日: 2011/12/03
  • メディア: 単行本
 

 

「森の奥の樟の木」の一節を引用します。

 微かな木漏れ日がちらちら揺れている。森のなかには尽きない時間がある。踏み迷うことのできる時間があり、すべもなく立ち尽くすための時間がある。

 生きるとは時間をかけて生きることだ。人はどうして、森の外で、いつも時間がないというふうにばかり生きようとするのか。

 

 

私は時間をかけて、生きているだろうか。

 

森の外の世界で人は、踏み迷い、立ち尽くす人の存在を、認めているだろうか。

許せているだろうか。

 

そんなことを考えています。

 

森のあるまちで。

 

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福島のある森で

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福島のある森で