ウネラのブログ

元新聞記者ウネラの日記

春を見過ごしていた

久しぶりの投稿です。

3月からなんとか福島で暮らしています。

 

「なんとか」と言っているのは、今回、本当に苦しい引越しだったからです。

 

コロナウイルスの問題が深刻化するにつれ心身の状態が悪化し、引越し10回目にしてはじめて、「荷造りの危機」(荷造りが荷出ギリギリまで終わらない)という体験をしました。

 

そこにある荷物を、この段ボールに詰めなければならないことは、わかっている。

わかっちゃいるけど、詰められない。

 

荷物と段ボールをぼーっと見つめたまま動けずに、ただ時間だけが過ぎていく。

 

こんな調子で、引越し当日の午前0時を回っても荷造りは終わらず(荷出しは朝8時)。

 

「じゅうぶんやってるよ。風呂入って布団に入って。俺もその後すぐ寝るから」

夫に言われ、布団に入るも、眠れず。

 

あとからあとから、正体不明の涙がぼろぼろこぼれてきました。

 

子どものころから今まであった出来事が、頭の中でランダムに映し出されて、記憶の出し入れというか、記憶の収納処理が、一時的にできなくなってしまいました。

 

大丈夫かな…

 

浅い眠りから覚めると、まもなく子どもたちが起きだしてきました。

 

「いや~、いよいよだね~!とうとう引越しだね~!」

「うお~~」

 

日の光がまぶしい、よく晴れた朝でした。

 

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こまかなトラブルは次々と起きたものの、無事引越しを終え、福島市での生活が始まりました。

 

幹線道路沿いのマンションですが、家の裏手に出ると、静かな田畑が広がっています。

山が近く、空が広い。

大きな川も流れています。

 

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長男の転校先の学校は公立ですが制服がありました。

私にとっては軽い驚きでした。

 

ゴムのズボンとTシャツ、トレーナーしか知らない(と言っても過言ではない)長男は、ブレザーのボタンをとめるのも一苦労。

やっとこさ自力で着られるようになったものの、市内の学校は休校中。

 

学校が再開するころには(いつになるかわからないけれど)、制服の着方など、またすっかり忘れていることでしょう。

 

別々の園への入園が決まった次男、三男も、現在は自主休園中です。

 

さいたまの親友が、心配して何度かメッセージをくれました。

首都圏は相当大変なはずなのに、こちらの新生活ばかり気遣う文面に、なんと返信していいかわからず、近所の写真を何枚か送りました。

 

桜や

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菜の花もきれい。

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しばらくすると、彼女からまた返信がありました。

 

「春が来たのをすっかり見過ごしていたよ」

 

私も、見過ごすところだったよ。

 

目に入れてみても、ちゃんと映し出されてこないような感じがしている。

春。