嘘のような本当の話
自分の考えていることや感じていることを、100%言い表すことというのは難しいと思います。たぶん不可能なんだろうと思います。
それでも、自分の心の中に限りなく近い、「ふさわしい言葉」を選んでいく努力というのは、とても大切なことだと考えています。
他の人に自分の考えをわかりやすく伝えるためにも、自分自身の心のありようを確かめるためにも、それは必要なことだと思います。
人にも自分自身にも誠実であるために、時間がかかっても、いつも心の中身にふさわしい言葉を充てていきたいと思っています。
簡単なことではありませんが。
そういう思いがあり、やれ本を読めだのやれ辞書を引けだのと子どもに言っているわけですが、一筋縄ではいかない、というようなことを何度か書いてきました。
そんな中、先日とうとう長男に変化の兆しが。
ソファでだらだらしているかのように見えた長男の膝の上に、辞書が広げられていたのです。
ほんとうに情けないことですが、やや喜ばしいような気持ちになり、
「何見てんの」
と聞いてしまいました。
長男:「調べてんのよ、意味を」
私:「なんて言葉よ」
長男:「タフ」
……。
過度な説明は不要かもしれませんが、【tough】のことでした。
嘘のような本当の話です。